山湯里の旅・出湯紀行

温泉の中心近くにある公共野天風呂

白骨温泉
乗鞍岳(3026m)の東麓、梓川の支流湯川の渓谷沿いにある。標高1400mの山の出湯として
はあまりにも有名な温泉だ。文化7年(1810年)に発刊された「旅行用心集」の中にも信濃
の温泉として白骨も掲載され、当時から中央にまでその名前が知れわたっていたことがわ
かる。白骨の名前の由来は確かなものがないが、石灰華に関した言い伝えが多い。湯船の
中に舞い込んだ木の葉や折れた木の枝には比較的短時間で石灰華ができ、人骨の不気味さ
を思わせたことなどから白骨の名が付いたものや、木の湯船から湯が溢れ、縁に石灰華が
つき白い湯船になったことから白船になり、いつ頃からかそれが訛り白骨になったとも言
われる。
明治26年に白骨温泉に訪れたウォルター・ウェストンは「………ほのぼのと立昇る水蒸気
は、狭い峡谷に淋しく横たわる白骨温泉であることを知らせた。この場所は全く世に知ら
れていない所だが………」と紀行文に書いている。今では道路も整備され、素朴さは残っ
ているものの近代的な温泉街になりつつある。
またこの温泉を馴染みにした文人も多く、大正時代には中里介山(1885〜1944年)がここを
舞台として不朽の名作「大菩薩峠」を書き残し、若山牧水や斉藤茂吉なども詩歌を詠んで
いる。古来から「三日入れば風邪ひかぬ」と称されその霊泉的な効能も広く知られシーズ
ンを通して行楽客や出湯客が全国からやってくる。
照会先:安曇村観光協会・tel.0263-94-2221

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