山湯里の旅・出湯紀行

山間にいだかれた温泉街

田沢温泉
十観山の東南麓の谷あいにあり、三方を山で囲まれている。開けた
東方には上田盆地を流れる千曲川を隔てて、浅間山やそれに連なる
湯の丸山、高峰山まどの峰々が見える静かな温泉郷だ。昭和46年
に国民保養温泉の指定を受けている。
七世紀後半の山岳呪術師・役小角(えんのおづの)が修行のため諸国
を渡り歩き、偶然ここの温泉を発見したと伝えられている。小角が
温泉に入ろうとしたところ、白髪の先客がいて「この温泉に入ると
身体強壮、精神爽快になり………」と言って温泉の効能を説いたと
言う。そこで小角はここを「仙人の湯」と名付けた。更に子のない
婦人は37日入湯すれば懐妊し、乳の少ない婦人は27日で乳が出
るといわれ、「子持ちの湯」「はらみの湯」「有乳の湯(うちのゆ)」
などの別名もある。
島崎藤村はこの温泉地に滞在し小説の構想を練っており、この温泉
を山国らしい温泉として紹介している。格子戸の宿、石畳の坂道、
白壁の土蔵など古風な趣きが漂う温泉郷だ。
照会先:青木村役場・tel.0268-49-3131

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