山湯里の旅・出湯紀行
畳敷の脱衣所 内湯と露天風呂 水明桜

千曲川を望む藤村ゆかりの宿
中棚温泉・中棚温泉旅館
島崎藤村「千曲川旅情の詩」の一節にある「岸近き宿…」はこの中棚荘を指しており、文学の宿
として親しまれている。小諸懐古園近くの林の中にひっそりと佇み、藤村が逗留した書斎の水明
桜は今も現存している。ロビーから浴室までが極端に遠く感じられるが、梢をわたる風が廊下の
窓から流れ込みひとときの寛ぎも味わえる。内湯浴槽は丸太で3つ区切られており、前面ガラス
の展望風呂になっている。露天風呂の湯船には源泉を竹樋から落としているが、温めなので打た
せ湯にもなる。変わっているのが脱衣籠で、農家で使う竹笊を利用し、畳敷の脱衣所は浴室との
境がなく素通しになっているので、湯船に浸かりながら脱衣所にいる人を見る事ができる。また
秋から冬にかけては浴槽いっぱいにりんごを浮かべるのだが、藤村が「初恋」の中で詩っている
「まだあげ初めし前髪のりんごのもとに見えしとき」のりんごに因んでの事かも知れない。初恋
の香りがするりんご風呂はおすすめ。
■入浴料:1000円
■泉質:弱アルカリ性低張性温泉
■住所:小諸市古城中棚
■tel.0267-22-1511

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