別所温泉 東西に聳える夫神岳と女神岳の山ふところに抱かれた静かな出湯。 北東にゆるやかに傾斜した地形は「信州の鎌倉」と呼ばれている塩 田平の扇のかなめにあたる。別所温泉の別所とは「別院」とか「別 荘」という語源となっており、中世の時代から信州における宗教や 文化の中心地でもあった。 真田家の隠し湯としても歴史はあるが、温泉の言い伝えは古代まで 遡る。日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征の時、霧が立ち込め る保福寺峠であった老翁に「この山中に七つの湯が湧きこれが人々 の七つの苦を助ける………」と教えられ、尊が山中を捜すと七つの 出湯があり、遠征中の兵士の苦を癒すことが出来「七苦離の湯」と 名付けた。その後出湯が永く栄えるようにと「七久里」になったと も言う。清少納言の「枕草子」には「湯は七久里の湯、有馬の湯、 玉造の湯………」と記されているが、別所温泉と短絡的に結びつけ ることはできない。 温泉郷をとりまく史跡や古塔の数々は実際の鎌倉以上に鎌倉らしい といわれ、川端康成、北原白秋、有島武郎等々、多くの文士たちを 魅了した。 照会先:別所温泉旅館組合・tel.0268-38-2020 外来入浴出来る湯宿| 民宿晴山| 緑屋山荘| つるや旅館| |